<<黒崎麻矢>> 学校と生活について part2 片道40分ほどのバスでの通学は、私にとって学校生活と私生活を区別する点でもよかったし、空いた時間や週末に、学校の周りだけではない地元の町をめぐる機会もできた。 ローカルの公共交通会社が発行している学割定期に「一ヶ月地域乗り放題」という、とてもお得で便利なカードがあった。さっそくこれおを購入し、暇さえあればバスや電車で、小さな町を訪ねたり、ヨーテボリへ出て美術館や図書館に行っていた。 スウェーデンの図書館は、CDやDVDの貸し出しをしいて、これもよく利用した。図書館の建築や内装もよかった。窓が大きく空間が広い作りは居心地がよく、ゆっくりと週末を過ごすには最適の場所だった。 学校の授業の流れを簡単に説明しよう。 まず、週の初めに先生の講義やディスカッションがある。そこで1ー2週間で仕上げるような課題が与えられる。完成に向けてグループで話しあったり、個人で作業の取り組む。そして週末の金曜に課題についての発表をする。これが大体の授業の流れである。 日本から持って来たノートパソコンには学校にあるほどの高性能なアプリケーションはなく、インターネットにもあえてつなげていなかったので、家ではパソコン作業よりも課題制作のためのラフを手書きでかくことやデッサンすることなどに集中するようにした。学校のパソコン環境はよく、プリンターやスキャナーなども自由に使えたので、かなり便利だった。 学校では10時から、30分ほどお茶(fika)の時間があった。 お城の校舎の食堂で、コーヒーか紅茶、フルーツかお菓子を選び、hej! hur ar det ? などの挨拶とともにのんびりと楽しむ。芸術系のコースが主な学校だったので、ひとりで向き合う作業時間が長くなったときなど、この時間はとても貴重だった。他のコースの生徒たちと知り合い、どんなことをやっているかを知るよい機会にもなった。 スウェーデンの冬は暗く、長い。夕方は四時くらいに日が沈み、朝は真夜中と同じくらいの暗さだ。だからこそ人の優しさや暖かさ、思いやりの大切さを深く感じられたような気がする。2月くらいから少しずつ日の光が感じられ、森や湖、高原の景色は本当に美しい。ゆっくりと、心にしみ入る希望、光といったかんじで日々感慨深かった。 copyright(C) Center of Nordic Study Program |