<<黒崎麻矢>> スウェーデン留学まで 私がスウェーデンという国に興味を持ったきっかけは、まっ白な北国、シンプルで豊かな生活。そういった想像と、誰もやっていないような言語を極めてみたい、という気持ち。そして何となく自分と合っていそうだな、と直感したことが大きい。 「直感」で、スウェーデンという国と本格的に関わり、今では、空港に着いて言葉を聞くとほっとする、現地の友人と話していて安心する、というようになったのだが、振り返れば、もう8年経った。この国と今まで関わり続けたことを、とても有意義に感じている。 最初の留学は、大阪外国語大学(現大坂大学)でスウェーデン語を学んでいた当時、三回生を休学し、スウェーデンのフォルケヘーグスコーラ(国民高等学校)の一般コースを選んだ。最初はスウェーデン語に戸惑い、あのどこまでも続く秋の暗い空にやられてしまいそうだった。でもそこで出会った素敵な友人は、現在でも私の心のよりどころとなり、親しくしている。 私のスウェーデン語上達の基本は、もちろん机で必死に学んだことだが、多くはスウェーデン人との出会いと交流にある。なんとかして伝えたい。話していることを理解したい。私の話も聞いて欲しい。その勢いや気持ちは今でもずっと、忘れないでいようとしている。 就職を考え出すころになっても、私はどうしても「スウェーデン」を諦めきれなかった。 仕事に活かせるようなことを勉強できるスウェーデンの学校に行ってみたいと思った。絵を描いたり本の装丁を見たり、写真を撮ったり編集したりすることが好きだった私は、スウェーデンの大学のグラフィックデザインコースで学ぶことを決意した。 一回目の留学当時にできた友人が、Sandvikenという小さな町で地元の芸術に興味を持つ人たちのために、地道に活動していたことも私が芸術分野に興味を持つ大きなきっかけとなった。 スウェーデン語を理解し伝えることに必死になっていた私は、そうした地元の芸術を通した人との関わりや出会いの楽しさを知り、ますます芸術に興味を持ち、スウェーデンでもう一度、その分野で自分を試してみたいと感じた。それが、今回(2007-2008)、2度目のスウェーデン留学にきっかけになった。 copyright(C) Center of Nordic Study Program |