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スウェーデンにインスピレーションD
<<黒崎麻矢>>

スウェーデン留学を終えて

スウェーデンにいた期間はほんとうにあっという間だったが、有意義で中身の濃い日々が送れたと思う。2回目の留学だったので、初めて留学した時の不安の入り交じった意気込みとはまた違ったやる気と気合いに満ちていたことは確かだ。仕事を辞めて、生半可な気持ちで留学に発つならば将来は危ういと切実に感じていたし、それだけ何かを得よう、身につけようという気持ちだった。帰国してから、直接仕事に生かすための技術や経験を得ようという意志もあったためか、授業自体に興味を持てて、積極的になれたことはとてもよかったと思う。

私が留学した留学国民高等学校には、海外から来ているのは私だけ(メキシコから来ていた女の子は途中で帰国)だった。私のように、切実に将来の職に結びつけようという生徒よりも、将来芸術系の大学に進学するために制作技術やアイデアを学ぶ、という人たちが多かった。年齢的にも、20代前半の生徒が多かったし、スウェーデン政府からもらえる奨学金のことを考えても、それほど職にありつくため、という雰囲気はなかった。でも目的は違っても、そういった生徒も課題に一所懸命に取りくんでいる人が多く、お互いよい刺激になった。スウェーデンでの有名芸術大学はかなり狭き門で、作品提出時期は緊張感があった。

スウェーデンにいる時から、仕事探しはネットで検索したりはしていたが、出発前に働いていた印刷会社で親しくさせてもらっていた上司などに、自分の近況を伝えたり、よいデザイナーさんを紹介してほしい、というようなやりとりをしていた。 その結果、現在は上司に紹介してもらったあるデザイン会社に勤務している。学校で学ぶのとはまた全く別の、学べることが多い。 将来的にはぜひ、スウェーデンと日本の橋渡しとなるよう、自分の経験をデザインで伝えるような、そんなよい仕事ができるようになりたいと思っている。

(「スウェーデンにインスピレーション」はメルーマガジン「北欧留学情報」の掲載したものを再構成したものです。)

著者紹介:黒崎麻矢さんは、大阪外国語大学(現大阪大学)卒業。2007年のフォルクヘーグスコーラのグラフィックデザインコースに学び帰国しました。現在、会社員の傍らなんばパークス産経学園スウェーデン語講師。

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