フォルクヘーグスコーラ/留学体験談-folkehøjskole.jp

スウェーデンにインスピレーションA
<<黒崎麻矢>>

学校と生活について part 1

私が通っていたのは、スウェーデンの内陸西方面の、ティーダホルムという小さな町にあるフォルケヘーグスコーラだった。
課目は、私が専攻したグラフィックデザイン以外に、テキスタイル、陶芸、アクセサリーを作るコース、あとスウェーデンの大学へ申し込むための学科の単位取得コース(一般コース)もあり、生徒全体では100人ほどだった。

学生は、様々な年齢の人がいたが、大半は20代前半くらい。海外からきている学生は私と、もう一人、メキシコからスウェーデンの奨学金をもらってきている女性がいたが、メキシコとスウェーデンの気候や人間関係の差がありすぎたのか、学期途中で帰国してしまった。ラテン気質と北欧気質の違いが帰国の背景にあったかも知れない。スウェーデンの人たちは、概して恥ずかしがり屋。人との付き合いに時間をかける人が多い。打ち解けるまで少し時間がかかるけど、内面はとても純粋で優しく思いやりのある人が多い、と私は思う。

学期が始まってすぐは、学校の寮に入った。昔、お城だったところを、とても趣きのある建物だった。地下に洗濯室、一階に食堂、二階と三階は部屋になっている。学生は、個人部屋と二人部屋のどちらかを選ぶことができる。、学校が始まり気の会う友人ができたら二人部屋で住む人もいたが、ほとんどの学生は一人部屋を選んでいた。

同じ屋根の下に住んでいるのだから、スウェーデン人学生の部屋におじゃますることは当然あった。友人たちの部屋を訪ねても感心したのは、ランプやろうそくの明かりの使い方、家具の配置、部屋の飾り付け。長い冬の影響からか、スウェーデンの人は全体的に、室内で心地よく過ごすことへの意気込みというか気合いが全然違うように思えた。

平日は授業があるので寮で過ごすのだが、週末になると実家に帰るスウェーデン人学生が多い。しかしだいぶ遠方から来ている学生はそう頻繁に帰れないので、週末はみんなで映画を見たり、料理を作ったり、週末にだけ開かれるノミの市に行ったりして過ごしていた。寮内、学校全体でのアルコールは一切禁止だった。

寮での生活も楽しかったが、寮には基本的に平日食事が含まれていて、自炊したかったこと、また大好きなヨーテボリに近くなるという理由で、ファルショーピングというティーダホルムからバスで一時間ほどのところに11月に引越し、一人暮らしを始めた。

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